現在、コロナウイルスによる自主的自粛措置継続中で、あまり遠くにお出かけできません。この期間を利用して、過去に行った世界遺産について書いてみようと思います。この旅は、かつてドイツに勤務していた2003年12月に行ったものです。

初日 ベルリンフィル 2003,12,20

バイナハツマルクト賑やかです。

 フランクフルト発10時13分。超特急ICEで4時間半の快適な列車旅。(でも、指定席がわからず、最初はあっちこっちうろうろしました。)2時20分すぎ、ベルリンツォー駅(動物園駅という意味)に到着。ここで娘2は、あまりの大きな都市に、「私、来る場所まちがったみたい・・・」と思っていたということ。すぐにツーリストインフォメーションで火曜日の「ポツダム観光バス」を予約し、タクシーでヒルトンホテルへ。途中、運転手さんが「ここが壁のあったところだ。」と教えてくれたときには、感動しました。
 ヒルトンホテルは、我が家には高級すぎるホテル。なんたって、★5つ~!でも、JALファミリーカードのマイレージ(赴任する時にJALだった)を使ったので、無料です!わっはっは・・・

 ホテルの前のジャンダルメン広場は、ヨーロッパ1美しいといわれる広場です。(でも、ヨーロッパ1美しい広場は、きっとヨーロッパに10以上あるでしょう。)そこでは、バイナハツマルクトをやっていて、ちょっとだけ見てきました。でも、今夜のメインのために、早々とホテルに戻って一休み、そしていよいよコンサートへ出発です。

夜のジャンダルメン広場。

 7時すぎ、ホテルを出てタクシーでフィルハーモニーへ向かいます。(タクシー代7オイロ)そして会場に到着すると、そこは華やかな社交場のような雰囲気。きれに着飾った婦人と蝶ネクタイの紳士がワイングラスを片手に歓談してたりします。子供はほとんどいません。「こりゃーなんか場違いの場所だなー。」と感じていました。でも、よく見ると、普通の服装で来ている人もけっこうたくさんいるし、数は少ないものの子供もうちだけだないので、ちょっと安心しました。

ベルリンフィルにて、これが精一杯のおめかし。

 今日の演奏は
指揮 Franz Welser-Möst
ブラームス 交響曲4番
ショスタコービッチ 交響曲6番

 ブラームスは、通学中車で何回も聞いたので、娘1も娘2も頭に入っている曲。でも、ショスタコービッチのほうはちょっと難しくて、あまり聞き込んでいません。娘2の状態によっては前半のブラームスだけで帰ってくる予定でした。でも、演奏が始まって見ると、生の音楽の迫力で、結局全部の曲を最後まで聞いてきました。演奏そのものは、ショスタコービッチの方が華やかで良かった感じでした。ショスタコービッチの6番は、第2楽章が静かながら緊張する部分で、みんな息をころして聞いていました。(娘2によれば、「バイオリンのハエの音、上手だったね。」)やっとその楽章が終わると、みんなほっとしてゴホンゲホンと咳を始めて、咳大合唱のようになり、会場から笑いが出ていました。
 演奏の間に咳き込むって、「演奏会あるある」ですね。

演奏が終わり、帰りもタクシー。そしてヒルトンホテルのふかふかのベッドで眠るのでした。 うーん、贅沢すぎる。

2日目 キャッツを観る

ヒルトンホテルで豪華な朝食をした後は、荷物も多いのでタクシーでユースホステルへ移動。(ホテルを出るとき、タクシーに「ユースまで。」というのがちょっとはずかしかった。)ここに荷物だけ預けて、いよいよベルリン観光にスタートです。今日は、絵画館に行って、その後ミュージカルを見に行きます。

今日から一般平民。ユースホステル前で。

 ユースから歩いて10分ほどで、絵画館に到着。この絵画館の展示は、ドイツ国内では有数の規模と内容があり、興味のある人は、きっと1日かけて見るでしょう。でも、うちの娘2はそんなに持つわけもなく、娘1も2時間はきつい。実際に入ってみると、やはり1時間でした。ちゃんちゃん。
 展示品は古典派の宗教画が中心で、日本人になじみのある作品は少ないけれど、フェルメールやレンブラントなど価値のある作品をたくさん見ました。

これ、第二次大戦の銃弾跡だって・・・
絵画館です。ベルリンフィルのすぐそば。
ベルリンフィルの建物。

絵画館から、キャッツをやっている劇場までは歩いて10分程度。天気は良いものの木枯らしが吹く中、歩いて行きました。途中、ソニーセンターのマルクトを見て、ポツダム広場では壁の跡を見て、ポツダム広場のバイナハツマルクトを見て、劇場に入りました。

うっすらと、壁の跡が残ってます。
キャッツ観るぞ!

 キャッツは、今や世界中で演じられているミュージカルです。とても幸運なことに、今、ベルリンで公演しているのです。およそ3時間、ドキドキワクワクのステージでした。(ドイツ語がわかれば、もっと楽しかったでしょう。まだまだ勉強が必要です。)

 キャッツが終わって、外に出るともう真っ暗。(よく考えると、一番夜が長い日だな。)きれいなツリーの光を見ながら、マルクトをひと回り、そして歩いてユースに帰りました。ユースホステルまでの道は、暗くて、雨風がすごくて、吹き飛ばされそう。聞けば日本でもニュースになった強風だったとか。ごおーぶおーと大変な風でした。

ユースの部屋は、こんな感じ。

3日目 ベルリン市内

 今日は月曜日。日本と同じで博物館はほとんど開いていません。でも、ユダヤ博物館だけは毎日開いているので、まずはそこからスタート。ユースの前からバスに乗り、出発です。ベルリンのバスは2階建てが多く、2階の最前席はすばらしい眺めです。この旅行中、娘1と2は、バスに乗れば2階の先頭を目指すようになりました。

前が好き!

 バスを降りて、歩くこと10分少々、博物館に到着しました。ユダヤ人の歴史が一目でわかるという博物館は、建物もすごく斬新な作りになっています。(建物ができた時点で、見学ツアーがあったくらい。)迷路のようなコースを回りながら、ユダヤの勉強をしました。ここでもドイツ語の壁は厚く、展示の1パーセントもわかったでしょうか。それでも、工夫された展示を見ているだけで、いろいろとわかることがありました。

ユダヤ博物館。

 博物館を出てまた少し歩き、行くときに見つけた中華レストランで昼食。安くて味もまずまず。なによりもゆっくり暖かいものを食べると、元気が出てきます。
 中華レストランを出ると、バスに乗り、次のポイントである「テロのトポロジー」へ。ここは、ベルリンの壁が少し残っていて、戦争中の資料が展示してあります。マイナスの遺産である戦争、ユダヤ人の迫害、そして壁を忘れないように保存する気持ちは、とても立派なことです。娘たちはまだよくわからないかもしれないけど、何かが心に残ってくれるでしょうか。

ベルリンの壁、残ってます。

 次は地下鉄でブランデンブルグ門へ。(今回の旅では、バスや地下鉄を駆使して移動しました。バーンカードという割引カードと往復の切符を持っていると、市内の交通機関が全部無料になるという、たいへんありがたいシステムができたのです。)ここは、旧東ドイツ領であり、門の前には、やはり壁の跡が続いていました。ブランデンブルグ門では、しっかり写真を撮り、店では壁の破片を買っていきました。(壁の破片は、意外と高い!大きくて、ペンキの色がきれいなものほど価値がある模様。本物かどうかは定かでない。)門を見た後は連邦議会議事堂へ歩いて行きました。ここは、屋上の展望台が一般開放されており、今やベルリンで1番の観光地です。外で並んで30分くらい待って、さらに中で飛行機に乗る時のようなセキュリティチェックを受け、上の展望台で市内を一望してきました。

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連邦議会議事堂。
議事堂の展望台。

ここまでで、時間は4時近く。だいぶ暗くなってきたので今日の観光はおしまい。街に出て、一番大きなデパート「KaDeBe」でショッピング。娘1は耳までの帽子、娘2はもちろん犬のぬいぐるみを飼って、じゃなくて買って来ました。今日の夕食はデパートの上のレストランでゆっくり食べました。(今日は昼も夜もしっかり食べてるな・・・)

犬(ぬいぐるみ)を買って喜ぶ娘2。

4日目 ポツダム 博物館島

 ベルリンには、ユネスコの世界遺産に登録されている所が2箇所あります。ひとつはポツダムにある「サンスーシ宮殿」、もうひとつは川の中州にできた「博物館の島」です。今日はこの2つを見ます。

サンスーシ宮殿(世界遺産その1)

 ポツダムへは、自分で電車とバスを乗りついで行けるけど、バスツアーに参加して行くことにしました。朝10時にUhland Strasseからバスが出発。ポツダムの町に入るところでガイドさんが乗車。バスの中からいろいろな建物を見ていきます。ポツダム会談が行なわれた城や、街の教会、門など、ポツダムも見所の多いところです。説明はドイツ語と英語。もちろん両方ともわかりません。断片的に聞き取れる単語をもとに、想像するだけです。一緒にツアーに参加した人は、ドイツ、中国、トルコ、それからよくわからないけど西洋のどこかから来た人がごちゃまぜで、ガイドさんの説明を理解していないのはうちばかりでないかも。

こちらのバスツアーで来ました。
ポツダムのサンスーシ宮殿。

 最後にサンスーシ宮殿。ここだけはバスを降りて中まで見てきました。(日本語の説明書があったので助かった。)バスツアーは10時から2時までの4時間。昼食の時間 もとらずに進みます。帰りのバスで、朝買っておいたハンバーガーで簡単な昼食を済ませました。

博物館島(世界遺産その2)

やっぱり前に乗る。
ペルガモン博物館。

 ツアーを終えて、駅からバスで「博物館の島」へ。駅はバスの始発なので、娘たちは又もや2階の最前列へダッシュ。100番のバスは、「カイザーヴィルヘルム教会」「ジーゲスゾイレ」「連邦議会議事堂」「ブランデンブルグ門」と観光名所を通ります。昨日まで見た場所の復習をしながら、博物館の島へ到着。この島の中には、ベルリン大聖堂と、いくつかの博物館(それぞれが歴史ある建物)から成っています。今回は、「ひとつだけ見るのならまちがいなくここを勧める」と書いてあった「ペルガモン博物館」に行きました。中の展示品は、とても大きく、すばらしいものでした。(でも、ナンバー1に勧めるほどでは・・・という気もするが、他を見てないので判断不能。)日本語の音声ガイドを借りて、聞きながらの見学も新しい経験でした。

 ペルガモン博物館を出ると、あたりはもう薄暗くなっていました。近くのオペラハウスのわきのバイナハツマルクトを見て、さらにバスでアレクサンダー広場のマルクトも見て帰りました。夕食は、ユースの部屋でうどんとごはんを暖めて食べました。(今日の食事は質素だな。)

最後までバスは最前列。

5日目 市内をぶらぶら

 いよいよクリスマスイブです。ベルリンにいるのもあと2日。今日は、カイザーヴィルヘルム教会と「The Story of Berlin」というベルリンの歴史を展示する博物館へ行きます。バスに乗ってまずは「The Story of Berlin」へ。しかし、そこはクリスマスのため休みなのでした。残念。そこで、又バスに乗ってカイザーヴィルヘルム教会へ。しかし、そこもなぜか閉まっているのでした。ドイツのクリスマスはどこも休みと聞いていたけれど、本当なんですね。でも、教会の前の広場ではバイナハツマルクトが開かれているので、そこで過ごすことにしました。

ベルリンの町中に、色とりどりの熊がいます。

 時間もたっぷりあるので、前々から気になっていた似顔絵描きのおじさんに書いてもらうことにしました。娘2は一番年上のおじさん。娘1はグループで来ていたお兄さんの一人に描いてもらいました。それぞれ画風は違うけれど、二人とも上手に描いてもらいました。この2枚の絵は、ベルリン旅行の一番の宝物です。

 絵を描いてもらったけれど、そのままでは折れてしまいそうなので、デパートでケースを買い、ついでに食事をしました。食事を終えてゆっくりしてたら、時間はもうすぐ2時になるところ。朝、ユースでベルギーから来た家族から「今日は2時になると店は全部閉まるから気をつけてね。」と言われていたけれど、そんな雰囲気もありません。

似顔絵画家さん。

 ところが、2時になると突然放送が入り、「閉店です。よいクリスマスを。」などと言っています。どんどん客はいなくなり電気も消えて、あっというまに店は閉じてしまいました。絵を描いてもらったマルクトも閉じており、やっとの思いで飲み物とピザ、ドーナツを買って、ユースに戻りました。ドイツではじめてのクリスマスは、原点に帰って質素に過ごしました。

最終日 今日は帰るだけ

 いよいよ今日でベルリンともお別れです。お世話になったユースホステルの朝食も今日で最後。ユースの食堂は、こんな感じです。クリスマスということで、揚げパンもありますね。

朝早いこともあって、人がいません。
いつもよりパンの種類が多いぞ。揚げパンは「ベルリナー」と呼ばれています。
片付けも自分でやります。

チェックアウトをして、昨日開いていなかった「The Story of Berlin」へ行きました。とてもわかりやすい展示で、期待以上にたのしい所でした。さらに、東西冷戦中にできた核シェルターなども見学できました。最後はマルクトに行き、缶倒しゲームで犬をゲットして、ベルリンをあとにするのでした。今回は、6日間という長旅でしたが、真冬にもかかわらずみんな風邪もひかず、みんなおりこうさん。

ここ、予想外におもしろいです。
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